2012年6月6日水曜日

お馬鹿な話を一席……

あれは、たしか高校二年から三年に上がる春のことだったと思う。
今の(私から見ての)若い世代は知らないか、知っていてもあまり記憶がないだろうが、「ららぽーとスキードームSSAWS(ザウス)」というスキー場が、船橋にあった。

屋内スキー施設は狭山スキー場とか今でもあるわけだけど、船橋ですよ、船橋市!
東京駅から20〜30分の距離、しかも、あんな煙をもうもうと焚く工場が密集する船橋に、お洒落なスキーリゾートがその昔、あったんです。
バブル(正確にいえば、バブルの「名残り」)って、すげぇなぁ……

——話が逸れてしまった。
実を言えば私は、幼稚園からスキーをやっている、「尊敬する人は?」と聞かれれば「木村公宣」と答えるほどのスキーファン。
まあ、雪国育ちの人から見れば大して上手くないと思いますが、中学・高校くらいの頃の冬はCSのJスカイスポーツ(現・Jスポーツ)でアルペン・ワールドカップを見、それを週末にザウスとか関東近郊のスキー場でフィードバックする(いや、できてなかったけど)、という青春時代を過ごしていたのです。

ただ、スノボはやってなかった。
正確にいえば、今もやってない。
でも「やってみたいなぁ〜」という思いはあったんで、スノボをやるために友達数名とザウスに行ったわけです。

私の家からザウスに行くには、武蔵野線を使う。
彼が言葉を発したのは、ちょうど船橋法典駅にさしかかったころだったと思う。
「ウインズって声高いよね」
そう言った彼は、後に東大院を卒業し、今は外資系金融機関で働くバリバリのエリート。
もちろん、その頃は一介の高校生であったわけだが、彼の聡明な頭脳を知る私は「船橋法典」という場所を踏まえた上での、エスタブリッシュメントなカンバセーションだと察知し、次のように答えた。
「ウインズって、どこのウインズ?」
一瞬の沈黙が流れる。
「いや、だから……ウインズって声高いよね?」
「だから、どこのウインズ(←ちょっと怒り気味に)」
「お前、馬券売場のこと考えてない?」
その通りだった。
そして、彼が言っていたのは「WINS」ではなくアイドルグループ「w-inds.」であることは、ここを読む、明晰な頭脳をお持ちの皆様にはお分かりのことだろう。

げに恐ろしきは、勘違いである。

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