2012年1月4日水曜日

アメリカ合衆国という国

今年はうるう年。
うるう年は夏のオリンピックと米大統領選がセットでもれなくついてくる、ということで、大統領選の方は早速、共和党内の予備選が始まっております。

日本に流れるニュースを見る限り、現職オバマ氏が相当な危機感を募らせているように感じますが、正直、日本人の立場からすればオバマが勝とうが、共和党候補が勝とうが、あるいはリバタリアン党、共産党候補が勝とうが、大して変わらない気がする。経済面に限ってはね。
だってこれほどモノを売りやすくて、いじめやすい国って日本を置いて他にないでしょう?
不景気ながらもそれなりに金は持ってて、政情もなんだかんだで安定してるし、なおかつ国民性は大人しいのだから。
そうなれば、次期大統領はどこの政党から出ようと、困窮する自国経済の維持と安定した支持獲得のために日本をターゲットにしていくはず。
冷戦終結の頃から始まった日本叩きは、終わるどころかますますその勢いを増していくように思います。

まあ、その対応は日本国民ひとりひとりがこれから考えていくことだとして、経済的マイナス面を考えても私はオバマが大統領になったことは評価したい。
それは肥大化していた防衛政策の縮小と、それを補う硬軟織り交ぜた外交政策だけでなく、アメリカに新しい社会保障の概念を持ち込んだから。
「新しい」って書いたけど、これって具体的には国民皆保険などの医療制度改革なわけで、日本やヨーロッパ諸国にとっては新しくもなんともない、ごく当たり前の政策。

ところが、この法案が提出されるやいなや、国民含めて非難轟々、成立後も地裁から違憲判決が出るという状況になった。
合衆国の文化からすれば、「努力した人が、それだけのサービスを受けられる」ということなのだろうけれど、じゃあアメリカのエクゼクティブが築いてきた現代のノブレス・オブリージュとは一体なんだったのか。
……いや、私が言いたいのはそういうことじゃないな。
あれだけ創薬や医療デバイス・ソリューションの開発に意欲的な国なのに、結局のところ人を救えてねーじゃん、と思う。

この問題に限らないことだけど、アメリカ人って変なところで日本人以上に島国根性のある人種に感じる。
誤解してほしくないのは、決して人種差別しようという意識はない。
ただ、グローバリズムを連呼する割には、本当にそれをなし得る気はあるの?という疑問を感じるということ。
その疑問を持っているのは私だけではないと思うし、それが解消できなければ、合衆国は孤立の道を進むだけになってしまうかもしれない。

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