2012年1月6日金曜日

エロ本売り場から見る、日本経済

ウチの近くにあるTSUTAYA、ここのエロ本売り場はとても小さい。
120cmはありそうな雑誌用ラックに、エロ本には30cmくらいの幅しかあてがわれていない。
雑誌売り場の広さを考えると、たぶん全体の2〜3%くらいの面積に過ぎないのではないだろうか。


これはおかしいと私は思った。
TSUTAYAの店名の由来となった蔦屋重三郎は江戸時代の版元だった人物。
彼は吉原細見という、今でいう風俗情報誌をつくり、一躍有名となった。
もっとも、TSUTAYA・蔦屋重三郎の両者に直接の関係があるわけではないが、「現代の蔦屋重三郎を目指そう」というのがTSUTAYAのオープン当初のマインドだったはず。
そんなTSUTAYAがエロ本コーナーの面積を小さくすることは、吉原細見をつくった蔦屋重三郎という目標を捨てたということになりはしないだろうか。
TSUTAYA自らのアイデンティティを否定することにはならないのだろうか。

そう思ったとき、「じゃあ、お前はエロ本を買うのか?」と自問した。
いや、買わない。
これは年齢的な理由が大きいけれど、同時に「今時、エロ本なんか買わない」からだ。
AVは言うまでもなく同じTSUTAYAで借りられるし、それ以前に、今はインターネットでアダルトコンテンツに簡単にアクセスできる。

日本雑誌協会のホームページに記載されているデータを見てみると、例えばザ・ベストの発行部数が18万部。
一説では、最盛期には30〜40万部を誇ったという話もあるくらいだから、エロ本業界の凋落ぶりは凄まじい。
しかも、この18万部という数字、あくまで「公称部数」。
実際にはどれ程刷られているのか、分からないのである。

そうか、TSUTAYAは別に蔦屋重三郎の遺志を捨てたわけではないのだな。

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